気ままに書いていきたいと思います。
愛君芙蓉嬋娟之豔色 君が芙蓉嬋娟(ふようせんけん)の艶色を愛す
色可餐兮難再得 餐(さん)す可きが色(ごと)く再び得難し
憐君冰玉清逈之明心 君が冰玉清逈(ひょうぎょくせいけい)の明心を憐れむ
情不極兮意已深 情極まらず 意已に深し
朝共琅玕之綺食 朝(あした)には琅玕の綺食を共にし
夜同鴛鴦之錦衾 夜には鴛鴦の錦衾を同じくす
恩情婉孌忽爲別 恩情の婉孌(えんらん) 忽ち別れを為し
使人莫錯亂愁心 人をして愁心に錯乱すること莫からしめよ
亂愁心 愁心に乱るれば
涕如雪 涕は雪の如し
寒燈厭夢魂欲絕 寒燈 夢を厭いて魂絶えんと欲し
覺來相思生白髮 覚め来たって相思 白髮を生ず
盈盈漢水若可越 盈盈たる漢水 越ゆ可きが若きも
可惜凌波步羅韤 惜しむ可し 波を凌いで羅韤に歩するを
美人美人兮歸去來 美人美人 いざ帰り来たらん
莫作朝雲暮雨兮飛陽臺 朝雲暮雨と作(な)って陽台に飛ぶこと莫からん
【私訳】
きみのその芙蓉の花のごとき美貌 愛さずにはいられない
みずみずしい艶やかでなめらかな肌 ふたりといない
きみのその氷の玉のように澄み切ったどこまでも清らかな心 とても愛おしい
この気持ちに果てはなく 深くふかくきみを想う
きみとする食事は最高の贅沢だった
仲睦まじく眠った夜も
それほど愛した美しいきみと 突然引き裂かれてしまった
なぜこのような狂おしい悲しみをわたしにあたえるのだ
堪えきれずに乱れたら
きみのぬくもりを失った私の涙が雪のように舞い散った
寒々しいともしびのなか 夢のなかでしか逢えないなんて認めたくないから
眠るのを止めてきみを想い そうしてまた髪が白くなってゆく
織姫のようにこの天の川を越えて欲しいなどと思ったりもしたが
たおやかなきみに危険な旅などさせられないから
だから美しい人 私が帰ってゆくよ
巫山の神女のように雲や雨に変わって夢の中で会いにこなくて もういいんだよ
・芙蓉嬋娟、艶色、冰玉清逈之明心、婉孌など=女性の美貌、貞節などをとても美しい言葉で絶賛しています。こんなふうに愛されてみたいですね。
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