気ままに書いていきたいと思います。
惟漢廿二世 惟(こ)れ漢の二十二世
所任誠不良 任ずる所 誠に良からず
沐猴而冠帶 沐猴にして冠帯し
知小而謀彊 知 小にして謀 彊(つよ)し
猶豫不敢斷 猶予して敢えて断ぜず
因狩執君王 狩りに因りて君王を執(とら)う
白虹為貫日 白虹 為に日を貫き
己亦先受殃 己 亦た先ず殃(わざわい)を受く
賊臣執國柄 賊臣は国柄を執り
殺主滅宇京 主を殺めて宇京を滅す
蕩覆帝基業 帝の基業を蕩覆し
宗廟以燔喪 宗廟は以て燔喪す
播越西遷移 播越 西に遷移し
號泣而且行 号泣し 且つ行く
瞻彼洛城郭 彼(か)の洛城の郭(くるわ)を瞻(み)れば
微子為哀傷 微子 為に哀傷せん
【私訳】
漢王朝はすでに二十二の世を経たが
このほど大官に任ぜられた者は 誠に良くない
猿の如き者のくせに朝服をまとい
頭がよろしくないのに人を謀る気持ちばかり強い
それでいてぐずぐずと政敵を処断もせず
狩りに託けて少帝を擁立したはいいものの
その為に白虹が日輪を貫くという凶兆を招き
自分自身が先ずそのわざわいを受けて殺害されてしまった
賊臣が国権を執ることになり
主君を殺めて洛陽の都を滅ぼしてしまった
帝王の社稷はくつがえされ
漢王朝の威光は消失してしまった
諸侯に追われた董卓は逃亡し 西の長安へと遷都し
焼け出された都の人々も号泣しながらもそれに従うよりなかった
あの洛城の破壊された城郭をじっと見ていると
私のようなものでも悲しまずにいられない
・沐猴=サルのこと。大将軍 何進を指して言っています。
・賊臣=ここでは董卓のことです。 また彼が殺めた主とは、少帝 劉辨とその母 何大后らです。
・宇京=うきょう。大きな都、大都市。洛陽を指しています。
・蕩覆=とうふく。国家を転覆させることです。
・燔喪=はんそう。焼き払って毀損すること。消失することです。
・播越=ばんえつ。逃亡、流浪の意味です。
・微子=びし。ちっぽけな人物。曹操が謙って自分のことを指して言っています。
現在、新しいコメントを受け付けない設定になっています。
プロフィール
カテゴリー
最新記事
P R