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蜃景茶館

気ままに書いていきたいと思います。

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李白:寄遠 其十一

 
美人在時花滿堂  美人 在りし時 花堂に満ち
美人去後餘空牀  美人 去りし後 空牀を余す
牀中繍被巻不寝  牀中の繍被を巻いて寝(い)ねず
至今三載聞餘香  今に至って 三載 余香を聞く
香亦竟不滅    香も亦た竟(つい)に滅せず
人亦竟不來    人も亦た竟に来らず
相思黄葉落    相思へば黄葉落ち
白露濕青苔    白露 青苔を湿す
 

【私訳】

きみがいたとき この部屋に花があふれているようだった
きみがいない今 この部屋がとてもひろくかんじられるよ

掛け布団を畳んで寝台に横になる
もう三年も経つのに 彼女の香りがする

香りはいつまでも消えない
きみはいつまでも来ない

想いつのれば葉が落ちてゆき
秋の露が青苔を湿らせてゆく


・黄葉=落葉。中唐の白居易以降は「紅葉」と表現されることが多くなります。白露とあわせ、花あふれる春から冬に向かう秋へ。愛するものを失った悲しみを表現しています。
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