妾在舂陵東 妾は春陵の東に在り
君居漢江島 君は漢江の島に居る
一日望花光 一日 花光を望み
往來成白道 往来 白道を成す
一爲雲雨別 一たび雲雨の別れを為し
此地生秋草 此の地 秋草を生ず
秋草秋蛾飛 秋草 秋蛾飛び
相思愁落暉 相思ひて落暉(らくき)に愁ふ
何由一相見 何に由りてか 一たび相見
滅燭解羅衣 燭を滅して羅衣を解かん
【私訳】
私は春陵の東
あなたは漢江の島
あのね 花がたくさん咲いていたよ
あのね 人がたくさん行き交っていたよ
「巫山雲雨」みたいにあなたとお別れしてから
ここにももう秋が来ました
秋草に夏を過ぎた蛾がふらふら飛んで
わたしはあなたを想いながら暮れてゆく光を愁いています
どうすればもう一度お逢いできるのですか
どうすればあなたとまた褥を重ねられるのですか
(秋蛾=秋に飛ぶ蛾。秋の寂しげな情景を表現しています。 落暉=暮れゆく日の光。日々老いてゆくことを暗喩しています。「滅燭解羅衣」は明かりを消して服を脱ぐ、という意味です。こういった文節が恥ずかしくてまだ上手に表現できません。いっそさらっと言った方がいいのでしょうか?)
PR