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蜃景茶館

気ままに書いていきたいと思います。

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李白:寄遠 其三


本作一行書  本(も)と一行の書を作り
殷勤道相憶  殷勤 相憶うを道(い)う
一行復一行  一行 復た一行
滿紙情何極  紙に満つるも情何んぞ極まらん
瑤臺有黃鶴  瑤台 黄鶴有り
爲報青樓人  為に青楼の人に報ぜよ
朱顏凋落盡  朱顔 凋落し尽し
白髮一何新  白髮 一(いつ)に何んぞ新たなる
自知未應還  自ら知る未だ応に還るべらかざるを
離居經三春  離居 三春を経たり
桃李今若爲  桃李 今 若為(いかん)
當窗發光彩  窓に当たって光彩を発せん
莫使香風飄  香風をして飄らしむ莫かれ
留與紅芳待  紅芳を留与して待て


【私訳】

もとは短い手紙を書くつもりだった
心をこめて「きみを想っているよ」と伝えるだけの

一行 また 一行

溢れるくらい書き綴ってもいつまでも言い足りない

仙界から使いするという黄鶴よ
私のためにあの青楼にすむ彼女に伝えてくれ

幸せに微笑んでいた私の顔もやつれはて
ずいぶんと白髪が増えてきてしまった
当分帰れはしないことを自分でも良くわかってる
きみと離れてもう三回目の春
庭の桃李はどうなってるだろう
きっと窓から美しく輝いている様子が見えるんだろうね

春風にその香りを吹き飛ばされないよう
色鮮やかなその紅の花の芳香をどうか留めたままで
待っていてくれないか


(香風、紅芳=花の香りを含んだ風。赤い花。女性の美貌を暗喩しています。上に「朱顏凋落盡」ともあることから、私は「どうか愁いに沈んだままでいずに、笑顔で暮らしながら待っていて欲しい」という解釈もしています。)
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