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蜃景茶館

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耶律楚材:過陰山和人韻 其三


八月陰山雪滿沙  八月の陰山 雪 沙に満つ
清光凝目眩生花  清光 目を凝らせば 眩みて花を生ず
插天絶壁噴晴月  天を挿す絶壁 晴月を噴き
擎海層巒吸翠霞  海を擎(ささ)ぐ層巒(そうらん) 翠霞を吸う
松檜叢中疏畎畝  松檜の叢中に畎畝(けんぽ)を疏す
藤蘿深處有人家  藤蘿(とうら)の深き処に人家有り
橫空千里雄西域  空に横たわること千里 西域に雄たり
江左名山不足誇  江左の名山も誇るに足りず


【私訳】

八月の陰山はすでに雪が降り 沙陀中に積っている
その清らかな光をじっと見ていると
くらんで目に花がちらついたようになってしまう

空を挿すような絶壁から 晴れ渡った月が噴きだしたかのように輝きながら現れ
滄海の波のように連なった山々は 美しい翠霞を吸いこんだかのようだ

松や檜の森の中に水路を通して田畝を開かれ
藤やかずらの深くしげっているところに人家が見える

この空の下に広々と横たわる陰山の姿は
西域の雄岳と呼ぶにふさわしい
揚子江の下流域にある名山もこれに比べれば物足りないほどだ

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