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蜃景茶館

気ままに書いていきたいと思います。

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こそこそとリスタートです。
ふふふ、秘密のブログなのです。

のんびり書いていけたらいいな( ´ ▽ ` )ノ
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詩経・小雅・大東


有饛簋飧 有捄棘匕     饛(み)ちたる簋(き) 飧(そん)有れば 捄(ま)がれる棘匕(きょくひ)有り

周道如砥 其直如矢     周の道 砥の如くなれば 其の直きこと矢の如し
君子所履 小人所視     君子の履(ゆ)く所 小人の視る所
睠言顧之 潸焉出涕     睠(かえり)み言(ここ)に之を顧みる 潸焉(さんえん)として涕を出だす
小東大東 杼柚其空     小東大東 杼柚(ちょじく)其れ空(つ)く
糾糾葛屨 可以履霜     糾々たる葛の屨(くつ) 以て霜を履む可し
佻佻公子 行彼周行     佻々たる公子 彼の周行(おおじ)を行く
旣往旣來 使我心疚     既に往き既に来て 我心をして疚しむ
有冽氿泉 無浸穫薪     冽たる氿泉(きせん)有り 穫(か)れる薪を浸すこと無し
契契寤歎 哀我憚人     契々として寤(さ)めて歎く 哀しき我が憚(たん)人
薪是穫薪 尙可載也     是の穫れる薪を薪とせば 尚わくば載す可し也
哀我憚人 亦可息也     哀しき我が憚人 亦た息う可し也
東人之子 職勞不來     東人之子は 職(もっぱ)ら労しめども来(ねぎら)わず
西人之子 粲粲衣服     西人之子は 粲々たる衣服せり
舟人之子 熊羆是裘     舟人之子も  熊羆(ゆうひ)是れ裘とし
私人之子 百僚是試     私人之子も  百僚に是れ試(もちい)らる
或以其酒 不以其漿     或いは其の酒を以てすれども 其の漿を以てせず
鞙鞙佩璲 不以其長     鞙々(けんけん)たる佩璲(はいすい)も 其の長きを以てせず
維天有漢 監亦有光     維れ天に漢有り 監みて亦光有り
跂彼織女 終日七襄     跂たる彼の織女 終日七襄す
雖則七襄 不成報章     則ち七襄すと雖(いえど)も 報うる章を成さず
睆彼牽牛 不以服箱     睆たる彼の牽牛 以て箱を服(か)けず
東有啟明 西有長庚     東に啓明有り 西に長庚有り
有捄天畢 載施之行     捄れる天畢有り 載(すなわ)ち之を行(つら)に施す
維南有箕 不可以簸揚    維れ南に箕有れども 以て簸(は)揚す可からず
維北有斗 不可以挹酒漿  維れ北に斗有れども 以て酒漿を挹(く)む可からず
維南有箕 載翕其舌     維れ南に箕有れば 載ち其の舌を翕(ひ)けり
維北有斗 西柄之揭     維れ北に斗有れば 西に柄を揭げたり



【私訳】

星空はまるでお茶碗にたんとつけたご飯
まがったスプーンみたいな大きなアーチ
星座の通りみちは研いだみたいに滑らかで 矢のように真っすぐ
それはお日さまたちが通るみち
私たちには行けないみち
目を輝かせて見上げるけれど

それを思うたびにせつなくて はらはらと涙がこぼれる


東の空のいるか座と琴座
大空を行きかう杼軸(シャトル)
かずらで編み上げたくつで
あの天の川をふみしめて渡ろう
浮気な貴公子たちが
夜空の道を行ったり来たり
私の心を悩ませる


きれいな泉があるのに
ねえ どうして来てくれないの
夜も眠れず待ち焦がれてる
ねえ あなたを待っているのよ
どうかここに来て
私のそばで休んでほしいよ


秋の夜空は東の人 仕事が忙しくて来られない
春の夜空は西の人 おしゃれにばかり夢中みたいね
夏の夜空は南の人 毛皮を着込んだ野蛮人
冬の夜空は北の人 天帝さまのおそばから離れない


白いお酒のようなのに とろみのあるお酒じゃない
長くて美しい玉のようだけれど もっともっと長いの
それは夜空に流れる大河
そのそばに輝く星が見えるかしら
美しい織女星は 一晩で七回も川を往復するのよ


といっても織物を納めるためじゃないの
ほら 牽牛も牛に車箱を駕してないでしょ

東の空の啓明
西の空の長庚
曲がった網の形をした天畢さえ二人のことを知らん顔で通り過ぎる


「誰にもとがめられない二人は
ついに仕事をしなくなってしまった
天帝さまはお怒りになったわ
だから夏の夜空はこうなったの」


夕方に射手座の竹箕が昇った時は
籾を掬えないようにずっと下を向かせたまま
北に北斗七星のひしゃくが昇った時は
柄を縦向きにしてお酒を注げないようにいじわるをする
深夜になれば竹箕は地面に蓋してしまい二人は何にも食べられない
ひしゃくは柄を西に向けて 別の人にお酒を飲まれてしまうのよ



(とても雄大な星空の詩です。※啓明=明けの明星 長庚=宵の明星 天畢=あめふり星)

古詩十九首:其十 迢迢牽牛星


迢迢牽牛星  迢迢たる牽牛の星
皎皎河漢女  皎皎たる河漢の女
纖纖擢素手  繊繊として素手を擢げ
扎扎弄機杼  扎扎として機杼を弄ぶ
終日不成章  終日 章を成さず
泣涕零如雨  泣涕 零ちて雨の如し
河漢清且淺  河漢は清くかつ浅し
相去復幾許  相い去ること復た幾許ぞ
盈盈一水間  盈盈たる 一水の間あり
脈脈不得語  脈脈として語るを得ず



【私訳】

遠い遠い牽牛の星
白く清らかな天の川の女
その細い手を引き上げて
機と杼を繰り織りあげてゆく
一日かけても模様はできあがらずに
頬をつたう涙は 雨のように零れてゆく

この天の川は清らかでこんなにも浅いのに
二人の距離はどうしてこんなにも遠いのでしょう
水を湛えた一筋の川に隔てられ
言葉を交わすこともできず ずっと貴方をみつめているのです



(前漢の作、とする説もありますが、おそらく後漢ごろ作られたと思われる詩なのだそうです。)

高適:営州歌


営州少年愛原野 営州の少年 原野を愛し
狐裘蒙茸獵城下 狐裘蒙茸 城下に猟す
虜酒千鍾不醉人 虜酒千鍾 人酔わず
胡兒十歳能騎馬 胡児十歳より騎馬を能くす


【私訳】

営州の少年たちは広大な原野を愛し
狐の皮衣をまといって猟に出かける
彼らの醸す異郷の酒を千杯飲んでも酔うことなどなく
異民族の子供たちはたった十歳で馬を巧みに乗りこなす

王翰:涼州詞


葡萄美酒夜光盃 葡萄の美酒 夜光の盃
欲飲琵琶馬上催 飲まんと欲すれば 琵琶馬上に催す
醉卧沙場君莫笑 酔うて沙場に臥すとも君笑うこと莫れ
古來征戰幾人囘 古来征戦 幾人か囘(かえ)る


【私訳】

芳醇な葡萄酒を満たした硝子の盃
一杯飲もうと思いたったら
馬上でだって琵琶をならして賑やかにやろう

このまま酔いつぶれて沙漠で眠りこけてしまっても

ねえ君

どうか笑わないでおくれ

昔からこの辺境に遠征して無事に帰った者は
幾人もいないのだからね

プロフィール

HN:
Yán YánLǐ
性別:
非公開

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